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和紙が持つ懐かしさに現代的なデザインをプラス-juraku-sha-

日本伝統の和柄をポップなデザインにアレンジ。和紙で作ったブックカバーやケース、靴下などを手掛ける「juraku-sha」。和と洋がうまく調和したデザインは、懐かしさと新しさを併せ持つ独特の魅力を感じさせる。



手掛ける矢野マサヒコさんは、もともと京都で染職人をしており、ものづくりの魅力に取り憑かれたと話す。「版画の要領で色を付けていくシルクスクリーンの技術を学んでいたのですが、受注仕事に疑問を持ちはじめ、ものづくりを通して自分を表現したいと思うようになったんです」。その思いから、独自ブランドを立ち上げるために研究をはじめた。そして、染職人時代に培った色を染める技術を活かし、和紙を作るブランド「juraku-sha」を立ち上げた。

当初は、さまざまな色に染めた和紙をイベントで販売していた。矢野さんは「お客さんと接する中で、色々なニーズが見えてきて、アイデアが浮かんだんです」と言う。それが、ブックカバーや和紙を張ったケースだった。

-Profile- juraku-sha 矢野マサヒコさん
元々は京都で染職人をしていたが、ものづくりを通して自分を表現したいと思いから独立。「お客様に親しみを持ってもらえること」をテーマに和紙のブックカバーや靴下などを手掛けている。デザインはブランドを立ち上げてから独学で学んだという。

ブックカバーやケースにするにあたり、デザイン性や色合いといった部分だけではなく、素材そのものについても考えるようになった矢野さん。「ブックカバーや何かを入れるケースなら耐久性や撥水性も重要。同時に、思い描いた色が表現できるちょうど良い厚みや質感を選ばなければいけません。1点ずつ、色によってどれくらい染まり具合が違うのか検証しながら試行錯誤を重ねていきました」。

そこで、出会ったのが植物の楮(こうぞ)の樹皮繊維を原料とした楮和紙だった。これまで幾度となく試作を重ねたどの素材よりも染まり具合がよく、さらには機能性にも優れていたという。「この素材に出会ったことで、一気にブランドのファンが広がっていきました」と矢野さん。

下の色が薄く透けるようなデザインはシルクスクリーンならではの技法だという。

「私の師匠はお客さん」と言い切る矢野さんが、次に手掛けたの靴下もお客のアイデアだという。「お話しているときに、『このデザインの布は無いんですか?』と聞かれる機会が多くなっていきました。好きなデザインは身に付けたいんだと思って、さっそく布の素材探しをはじめました」。

和紙の時とは違い、靴下は糸の色が決まっているため自由自在に思い描いた色は出せない。そこで、活きてきたのが染職人時代から培ってきた色を組みわせる技術だった。「決まった色の中で、どれだけ美しいデザインに仕上げるか。それが職人の腕の見せ所。決まった色を組み合わせて、和紙で人気があったアイテムに寄せて靴下を作っていったんです」と矢野さん。この商品は好評を博し、今では和紙を追い越し、メイン商品となっているそう。

今やメイン商品となった靴下(1,500円〜)は、数十種類が揃う。

矢野さんは、今後も和柄が持つデザインの可能性を追求していきたいと話す。「今までは女性に好まれるデザインが多かったのですが、これからは男性にもシフトしてきたいと思っています。和柄テイストの服とかマグカップなど、男性が手にとりたくなるようなデザインを考案中です」と嬉々として語ってくれた。

和柄でポップなデザインが特徴のケース(B5サイズ/1,000円〜)。DIYにも活用できると人気だという。