革や真鍮や鹿の毛皮などの素材を使い、独自の世界観でアクセサリーを生み出すSUNn・寸(スン)。表面にシワ感のある革や、マットな質感、漆塗りなど、表情豊かな黒やゴールドの革を選び、さまざまな形に裁断し組み合わせる。
革や真鍮や鹿の毛皮などの素材を使い、独自の世界観でアクセサリーを生み出すSUNn・寸(スン)。表面にシワ感のある革や、マットな質感、漆塗りなど、表情豊かな黒やゴールドの革を選び、さまざまな形に裁断し組み合わせる。
真鍮やシルバーは、曲げて線や円を描いたり、熱を加えて表面にシワを寄せたり、鋳造したりと、新しい質感や形に生まれ変わらせる。さらに、革と金属という異なる素材をパズルのように組み合わせて、一つの作品に仕上げたものも。立体的に生み出された形は、見る方向によっても表情を変え、まるで建築物のような造形美を感じさせる。
SUNn・寸のアクセサリーは、黒い服によく似合う。一見シンプルな雰囲気だが、コーディネートに合わせると全身に華やかさが増す。日常にもフォーマルにも使えて、似合う年齢も幅広い。
しかし、「誰にでも『きれい』と言われるような雰囲気ではないんです」と高橋さん。「以前は多くの人に使ってもらいたいと思っていましたが、できれば少し変わったデザインのものを持ってほしくて、今は自分がいいと思うものを作っています。だから万人受けはしないと思います。『私にとってはいいものですが、あなたにとってはどうですか?』という提案です」。「買ってほしい」という気持ちより、「気に入った方に選んでほしい」という気持ちを込め、丁寧にデザインし形づくっている。
どの素材も経年変化するので、使っているうちに表情が変わるところも魅力のひとつ。「革は、タンニンなめしのイタリアンレザーなので、使うほどにツヤ感が出てきますよ。ベージュの革は飴色になります。真鍮は放っておくとくすんで渋く変化しますが、磨くと金色に光ります」。お手入れをすれば質感や色が変わり、その変化が楽しめるのはもちろんのこと、SUNn・寸でメンテナンスをしてもらうことで長く使うことができる。「親子三代で使ってほしいです」と高橋さん。
革や金属など、さまざまな素材を手作業で形にしている高橋さんだが、最も扱いが難しいのが猟師さんから譲ってもらった「鹿の毛皮」だという。毛並みの方向性と土台のフォルム、身につける角度などをじっくりと考えながら組み合わせるそう。素材を手にとって考えるうちにデザインが閃くが、「自然の素材を扱う難しさを感じます」と高橋さん。
今は日常生活の中で化学繊維に触れることが多いが、「昔からずっと生活の中にあるものを素材として活かせていることが嬉しいです」と、自然素材への敬意を忘れない。SUNn・寸のアクセサリーには素材そのものの美しさや味わい深さが感じられ、ひとつ身につけるだけで、その人の個性や存在感を増幅させる力がある。