1900年〜2000年頃の品物を扱うヴィンテージ雑貨店「RUST」。古い物が持つ"赴き"や“ゆらぎ”に価値を見出し、アメリカ東海岸と日本で見つけてきた食器や照明、家具などを販売している。
1900年〜2000年頃の品物を扱うヴィンテージ雑貨店「RUST」。古い物が持つ"赴き"や“ゆらぎ”に価値を見出し、アメリカ東海岸と日本で見つけてきた食器や照明、家具などを販売している。
店主の石橋隆政さんは、かねてより時を重ねた温かみのあるアンティークやヴィンテージ 品に興味を持っていた。将来はヴィンテージを扱った店を開きたいという夢があり、2010年頃にRUSTをオープン。WEBや実店舗で販売を手掛けていた。とあるきっかけで店を現在の大阪上町に移転し、ヴィンテージ食器を中心に生活に取り入れやすい古道具などを販売する現在のスタイルに落ち着いた。奥様の和美さんは店舗&web運営を担当、隆政さんは仕入れと商品のメンテナンス担当として「RUST」はスタート。2021年で10年目を迎える。
ヴィンテージショップの生命線は仕入れに尽きる。「年に6回。アメリカ東海岸で開催されるフリーマーケットなどに参加して品物を仕入れています。1度の滞在で約2週間。アメリカの大規模なフリーマーケットはもちろん、田舎町で開催される小さなフリマなど車であちこち走り回り、物探しをしています」と隆政さん。
同時に国内に眠っている古い物にも良い物は多く、「例えば、海外に出荷予定であった食器が日本の古い窯元に残されている場合があるんです。その情報を聞けば、どこへでも現地に赴いて仕入れるようにしています」という。その行動力により、国内のヴィンテージショップやWEBでも目にする機会が少ないラインナップを実現できるのだ。
その中でご夫婦が大切にしているのは、古さやオブジェとしてだけでなく普段使いもできるもの。日本各地で開催される骨董市などに足を運んでは、品物の状態を見極め買い付けをしているという。「見た目でわかるヒビやワレだけではなく、日常的に使う中で破損しないかをきっちりと確認します。手にとった感触や重さ。指ではじいた響き方などを頼りに状態を確かめていきます」。その真贋にかなったヴィンテージ 雑貨はどれも丈夫なものばかり。中には、石橋さんのショップで食器一式を購入し、日常的に使用している方も多いという。
「ヴィンテージの食器類はメンテナンスの大変さから敬遠される方も多いはずです。でも当店が扱っている1970's〜2000年頃の今は製産されていない食器は、アメリカなどへの輸出品が多く、電子レンジや食洗機も可能な物がほとんどで、とても扱いやすいです。また当時製産された食器にはない、釉薬のムラやデザインのズレや歪みといった個体差にも面白味があります。そんなヴィンテージ食器をひとつでも取り入れ、普段の生活に彩りが出ていただけると嬉しいです」と隆政さんは微笑ましい表情で語ってくれた。