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ヴィンテージを思わせる味わい 変化を楽しむ真鍮雑貨 -BRASS LABO-

まるで長年使い込んだようなヴィンテージ感のあるアクセサリーや雑貨づくりを手掛ける「BRASS LABO」。真鍮(しんちゅう)の魅力を最大限に発揮するため、一つひとつ手作業で丁寧に仕上げている。手で触れた箇所から徐々に変化が現れ、味わい深くなる作品は、まるで自分でを育てているようだ。



松山さんが作品に用いる真鍮(しんちゅう)とは、銅と亜鉛の合金のこと。曲げやすい性質などからドアノブや蛇口、金管楽器など、その用途は幅広い。身近な例だと、5円玉硬貨にも真鍮が用いられている。

特長は、なんといっても光沢の美しさにある。仕上がり直後のきらびやかな輝きは見る人を引き付ける。また、もう一つの大きな魅力が、経年変化による「ヴィンテージ感」だ。真鍮は人の手が触れることで表面の酸化が進み、その箇所が黒ずむなどして独特の味わいが生まれるのだ。その風合いを愛でるのも、真鍮製品ならではの楽しみ方だ。

-Profile- BRASS LABO 松山 琢永さん
もともと夫婦そろってアンティーク・古物が大好き。現在、三田のコンテナハウスで作業をしているが、将来アトリエ兼ギャラリーを開くのを目標にしている。実際に目で見て、手で触れて、気に入ったものを買ってもらえるようにしたいという。

また、手入れが簡単なのもうれしいポイントだ。松山さんによると、「水に溶かした重曹で磨けば輝きが蘇ります」という。自分好みに仕上げるため、キレイに磨いてもう一度育てるなんて楽しみ方もできそうだ。まさに自分でヴィンテージ雑貨を育てているような気分にさせてくれる。

松山さんの真鍮製品は一つひとつが手づくりだ。真鍮に熱を加え、松山さんが頭に描いたイメージへと形を変えていく。手づくりらしい味わいを残すため、あえてラフな形に仕上げることもあるのだとか。人気なのは、不規則な曲げ具合が味わい深い豆皿やトレイだ。アクセサリーや鍵束などの保管場所、あるいはショップのキャッシュトレイなど、活躍できるシーンは数多くある。

真鍮と木材を組み合わせたアクセサリー。右側の「Rokkaku」は桜の木を用いている。

真鍮以外にも、木材と組み合わせた作品もある。真鍮の作品に同じものがないように、木の素材も木目が一つひとつ異なる。例えば、ピアスとイヤリングの2wayで楽しめるアクセサリーがある。真鍮の光沢と桜の木目は好相性で、まるでお互いを引き立て合っているように見える。人気のスプーンやフォークも、持ち手の部分が木製だ。

「今後は生活雑貨のラインアップを充実させたいと考えていて、お玉やフライ返しの調理器具などを制作するつもりです」と、次回作について語る松山さん。時とともに変わる真鍮と向き合いながら、自身も前へと進むべく作品づくりを続けている。

表面の質感で変化を出した真鍮のアクセサリー。
奥から、人気商品である豆皿・フォーク・スプーン。手前は、和菓子などを切る菓子切。