動物性食品や小麦、卵、添加物を一切使わないヴィーガンフードを提供するカフェとして、森ノ宮で営業する『「Buddha』。同店のオーナーであり、4児の母でもある鈴木昌江さんが作るのは、「食べても罪悪感がない」スイーツだ。
動物性食品や小麦、卵、添加物を一切使わないヴィーガンフードを提供するカフェとして、森ノ宮で営業する『「Buddha』。同店のオーナーであり、4児の母でもある鈴木昌江さんが作るのは、「食べても罪悪感がない」スイーツだ。
4人の子どもの育児や身近な親族の大病をきっかけに、食に興味をもつようになったという鈴木さん。その学びを活かし、子どもやアレルギーがある人にも安心して食べてもらえる食事を提供したいと、2020年10月にBuddhaをオープンさせた。「寿命が延びても、健康じゃなかったらしんどい思いをするばっかりです。食事を通して、健康の大切さに意識を向けてもらうお手伝いがしたいと思ったんです。ただカロリーを減らすのではなく、糖質の大事さや必要なオイルの取り方など、健康的なダイエットや身体作りに対する話もできるフレンドリーなお店を目指しています」と鈴木さんは語る。
ロハスフェスタでは、お店でも人気のマフィン・クッキー・グラノーラ。いずれも小麦・牛乳・卵・白砂糖・乳製品・添加物不使用で、可能な限り有機栽培の材料を使用している。マフィンやクッキーに使う米粉も、減農薬で育てられた米から作られたもの。「米粉も全国から色んな種類を取り寄せて、試作を繰り返して選びました。理想的な粘度で食感も良く、お米の風味がしっかりと感じられる米粉なんです」。
この米粉にオートミール粉を合わせることで、ベーキングパウダーを使わずとも、ふわふわとした口当たりを実現したマフィン。使うオートミール粉も、有機栽培にこだわった。「オートミール粉は有機栽培のものが市販されていないため、毎朝お店で有機オートミールを製粉しています。また、保存料や添加物を一切入れていないので、日持ちもしませんが、本当に優しいものを届けたいので妥協はしません」。
米本来の豊かな風味が感じられるクッキーは、すぐに売れてしまうレアな商品。バターが入っていないのにコクが深く、サクサクとした食感が楽しめる。「同じ材料でも入れる順番や混ぜる時間を変えることで食感が変わってきます。最初は米粉クッキーならではの固い食感でしたが、試行錯誤を重ねる中で、今のサクサク感が出せるようになりました」。
オートミールにココナッツファインやコジベリー、レーズン、アーモンドなどのナッツ類を合わせて作ったグラノーラ。有機栽培で丁寧に育てられた材料そのままの味を楽しんでほしいと、オイルや甘みの添加はできる限り控えている。「オイルも身体に良くて脂肪になりにくいココナッツオイルを、甘みには白砂糖ではなくメープルシロップを使っていますが、どちらも取り過ぎはよくないので、極限まで抑えて、ほんの少し塩を入れることで甘さを引き立てています。そのまま食べるのはもちろん、ヨーグルトを入れたり、シナモンパウダーを掛けたりしてもおいしいですよ」。
お店での日々を振り返って、「材料費が高かったり、手間がかかる分人件費が高くなったりで、作っても作っても売上げにならない(笑)。でも、健康に気を付けている方が大絶賛してくださったり、アレルギーのあるお子さんが『ここのやったら、なんでも食べられる』と喜んでくれる姿を見たりすると、がんばろうと思うんです」と鈴木さんは話す。
今後はキッチンカーと同時にセントラルキッチンが完成予定で、2023年4月末からクラウドファンディングにも挑戦中。おいしく食べることが健康につながる、そんなBuddhaのこだわりのフードを青空の下で食べられる日が待ち遠しい。