「古道具を見たり使ったりして、昔の暮らしに思いを馳せる」。これが古道具の楽しみ方の一つだと語る古豊豆(こぶず)の二川忍さん。自身もあるきっかけから古道具の魅力に引き込まれたのだという。こだわりの逸品を揃えたその背後にある古道具への想いを聞いた。
「古道具を見たり使ったりして、昔の暮らしに思いを馳せる」。これが古道具の楽しみ方の一つだと語る古豊豆(こぶず)の二川忍さん。自身もあるきっかけから古道具の魅力に引き込まれたのだという。こだわりの逸品を揃えたその背後にある古道具への想いを聞いた。
古豊豆で取り扱っている品々は、ヴィンテージ風の味わいが魅力的なカトラリーやティーカップ、グラスをはじめ、腕時計やアクセサリーといった貴金属類など、挙げるときりがないほどだ。「ロハスフェスタのブースに並べている商品は、常時200~300種類ほどあると思います。毎日商品は入れ替わりますし、さすがに正確に数えてはいませんが」と笑いながら二川さんは語る。
多種多様な品々を扱っているだけに、客層は幅広い。ただ、二川さんによると、昭和の時代に日本で人気だった腕時計などは若い世代にも好まれるという。「古いドラマで見るような昭和の香りが漂うデザインや雰囲気が、若い人たちに受けているのかもしれません」。古道具を通じて親世代や祖父世代の雰囲気を楽しむのもヴィンテージの醍醐味かもしれない。
もともとは茨木市でチケットショップを営んでいた二川さん。古物商の免許を生かして、もっと夢中になれる仕事はないか考えた末、古道具屋も並行して始めることに決めた。もう一つ、古道具屋を選んだわけには、ロハスフェスタの影響もあるのだとか。
「ロハスフェスタが始まって間もないころから、客として足を運んでいました。当時は今よりも古道具屋の出店が多く、あるとき錆びたアイアン雑貨を買ったんです。そんな経験をして、古道具にあらためて感銘を受けたこともきっかけの一つでした」。
現在は大阪府内をはじめ、京都や滋賀、ときには北陸方面にも仕入れに出向いている。玉石混交の古道具の中から逸品を見つけ出すことも重要だが、二川さんのこだわりは他にもある。「仕入れた商品の中には、一見すると売り物にしようがないものもあるんです。そんなものでも修理や加工をして、使えるように工夫をしています。どうしてもだめなものでも、なるべくゴミにはせず自分用に使っています」。
逸品を見抜く眼力と、物を大切にする姿勢。これらが合わさるからこそ、古豊豆の店先に並ぶ品々には、訪れる人を引き付ける魅力が宿る。多彩な古道具をながめていると、自分だけの逸品と出会える――。そんな期待感を抱かせてくれる。