真鍮とシルバーを素材にしたアクセサリーや生活雑貨の販売に加え、リクエストを受けた名前や言葉を、その場で金属プレートに刻む「komariworks×カジタロKOBO」。製品について語るほどに伝わってくる、2人の“金属愛”を聞いた。
真鍮とシルバーを素材にしたアクセサリーや生活雑貨の販売に加え、リクエストを受けた名前や言葉を、その場で金属プレートに刻む「komariworks×カジタロKOBO」。製品について語るほどに伝わってくる、2人の“金属愛”を聞いた。
「トンテンカン!」。小気味よい音が響いてくるブースは、金属のアクセサリーや生活雑貨を販売している「komariworks×カジタロKOBO」だ。聞こえてきた音は、ユニークな風貌の“カジタロ”さんこと、髙橋さんが鳴らす金属音。本職は鍛冶屋で、普段はテーブルや椅子、照明、門扉など、鉄のプロダクトをオーダーメイドで製作している。元々、ものづくりが好きだった髙橋さんは、アルバイトで鉄工の仕事に携わったとき、鉄のおもしろさに気づいたそうだ。「サンダーという回転機具で鉄を削らせてもらったんですが、めちゃくちゃ気持ちよくて!鉄は、曲げたり、溶接したりしてすぐに形が決められます。そこが、せっかちな僕に合ったんでしょうね。一瞬でハマりました」と笑顔で話す。
そうして「鉄の道」に入った髙橋さんは、同じ鍛治の職場で「komariworks」店主の石川さんと知り合った。子どもを身籠り、鍛治の仕事が体力的に難しくなった石川さんは職場を離れることにしたが、鉄工との関わりを持っていたいという想いから、髙橋さんと一緒にイベントに出店することにした。髙橋さんが販売するのはネームプレート。トンテンカンと金属音を響かせながら、お客さんの名前や希望する言葉を刻む。手作業なので、機械のように整った文字ではなく、少しずれたり、歪んだりしているところに温もりが感じられる。「家や車のキーホルダーにしたり、ワンちゃんのドッグタグにしたり。いろんな使い方がありますよ」と、真鍮のプレートにアンティークの刻印で名前を打ち付けていた。
石川さんは自分でデザインしてつくった装飾品を、髙橋さんの隣で販売することにした。素材は、真鍮とシルバー。この日は、ピアス、イヤリング、ブレスレット、モービル、ランプシェードなどが並べられていたが、イチ押しは、「真鍮とシルバーを組み合わせてつくった指輪のシリーズです」と手に取って見せてくれた。「使い続けるうちに、真鍮はヴィンテージっぽい色味になっていく“育ち”が楽しめます。シルバーも深みのある風合いに“育って”いく。それが魅力です」。石川さんが“育ち”と表現するのは、経年変化のこと。アクセサリーを購入した人ならではの“育ち”が見られるそうだ。
美術大学で彫刻を学んだ石川さん。教授に言われた、「美術は世の中が平和でなければ求められない」という言葉を今も大切にしてモノづくりに励んでいる。「購入してくださった方がアクセサリーを身につけたり、部屋に飾ってくださったりした時に、気持ちが癒されたり、心が平和になったりしたらうれしいです」と作品に注ぐ思いを話す。自身もモノをつくり、イベントでお客さんと接することが癒しになっているそうだ。販売する作品はすべて一点もの。同じデザインは一つもない。それぞれに良さがある作品を前にしてどれにしようか迷うお客さんと一緒に、その人がいちばん似合うものを選ぶ。そんなひとときに小さな、でも何よりの大切な心の平和を感じるそうだ。