どこか懐かしい板ガラスがはまった木製のフォトフレーム。手に取ると、フレーム部分に小さな凹部がある。「そこはもともと木材を組み合わせていた“ほぞ穴”。実はこのフォトフレーム、古い家の建具とガラスを利用して作っているんです」。そう話してくれたのは、from the past(フロム ザ パスト)店主の豊福さん。設計事務所で店舗の設計やデザインをするかたわら、廃棄予定の建材や古道具を“レスキュー”して、新たな人の手へとつなげる活動を行っている。
どこか懐かしい板ガラスがはまった木製のフォトフレーム。手に取ると、フレーム部分に小さな凹部がある。「そこはもともと木材を組み合わせていた“ほぞ穴”。実はこのフォトフレーム、古い家の建具とガラスを利用して作っているんです」。そう話してくれたのは、from the past(フロム ザ パスト)店主の豊福さん。設計事務所で店舗の設計やデザインをするかたわら、廃棄予定の建材や古道具を“レスキュー”して、新たな人の手へとつなげる活動を行っている。
本業で設計の仕事をしている関係から、店舗や民家が解体されて、建材が廃棄されるのを目にしてきたという豊福さん。「もったいない、なんとか利用できないか」と考えていたところ、長野県で古材をリサイクル、販売している会社があることを知った。そこからノウハウを学び、2024年から自身でも活動を始め、神戸市にある江戸期に建てられた屋敷の一角を改装して常設の店舗をオープンさせた。
店頭には建具やガラスといった古材のほか、アンティークな食器やかご、花瓶などの生活用品が並ぶ。「建具は主に近隣の方から連絡をもらい、壊す予定の家からレスキュー、つまり解体、買い取りをしています」。蔵のものを処分したいから、と持ってきてくれる人もいるという。「昭和期などそれほど古くはない品は、一般のリサイクルショップでは買い取ってもらいにくいんです。レトロで味があるけれど今までは捨てるしかなかったモノを、気に入ってくれる人へつなげていければ」。
なかでもフォトフレームは人気のアイテム。独特のデザインのガラスは昭和時代のもの。その世代の人にとっては懐かしく、若者には新鮮に映るよう。「大切にしているのは、モノに刻まれた“物語性”を残すということ。なので、ほぞの穴や建具の引手などはそのままフレームに活かしています」。フォトフレームだけではなくすべての商品において、その歴史や背景を引き継いでいくことを意識しているという。
設計士だけでなく社会福祉士の資格も持つ豊福さん。売上の一部は障害を持つ人の支援に充てているそう。「いずれはフォトフレームの組み立てを福祉施設の人に任せられればと考えています」。モノに新たな価値を与えることが、環境だけではなく、さまざま人の生活をより良くする。そんな「ポジティブ・サイクル」の輪が回り始めている。