花屋に勤めていた頃から木の実に興味を持ち、雑貨を創作するようになったという店主の上原麻衣子さん。可愛らしい作品のなかには、SDGsを意識したものも。環境保全に貢献する一つのきっかけを提案している。
花屋に勤めていた頃から木の実に興味を持ち、雑貨を創作するようになったという店主の上原麻衣子さん。可愛らしい作品のなかには、SDGsを意識したものも。環境保全に貢献する一つのきっかけを提案している。
ホテイアオイという植物をご存じだろうか?美しい花を咲かせる観賞用の水生植物であり、メダカや金魚の水槽を飾ったりもする。ただ非常に繁殖力が強いことから、水中の酸素を欠乏させて漁業に影響を及ぼしたり、水上交通を妨げるなど、世界十大害草の一つに指定されている。この対策として、例えば東南アジアのタイでは資源として生かそうと製品を開発、販売するなど、各国でさまざまな取り組みが行われているという。
そうした状況を知った上原さんは、ホテイアオイのリースを仕入れ、自らのブースで販売することに。「乾燥させたホテイアオイの茎をタイの女性たちが編んでつくったリースです。素朴な温もりが感じられるし、SDGsの達成に貢献するものだと考え、販売しています。多くの人に知ってもらえたらうれしいです」。そんな上原さんは花屋のスタッフとして働くうちに、自然のものを材料にした雑貨をつくりたいと思うようになった。当初はドライフラワーをメインとした作品を制作していたが、時間とともに色褪せたり、崩れたりしてしまうことに違和感を覚えるようになった。「手に取ってくれた人の暮らしの中で、できるだけ長く存在し続けてほしい」そう考えたとき、時間が経っても形を保ち、むしろ素材として完成していく木の実に惹かれ、現在の制作スタイルに行き着いたという。
「自然のものなので、一個一個、色や形が微妙に異なります。実を手に持って、どうしようかなと考えながら頭の中で組み立てることが楽しいですね」と、木の実の雑貨づくりの魅力を話す上原さん。最近人気があるのは、部屋に吊り下げる木の実のベルで、針金状の軸にカカオやユーカリの実、コルク、ビーズなどさまざまな素材を通し、いちばん下にベルを結びつけた作品だ。「シナモンや八角といった料理に使うスパイスも吊り下げています」と指差して、楽しそうに教えてくれる。「これ、何でできているのですか?」「珍しい実ですね」と作品について聞かれたり、興味を持ってもらえると創作の励みになるそうだ。木の実を通して生まれる会話やつながりも、上原さんにとって大切な創作の一部。作品には、自然の表情とともに、そんな温もりも込められている。