独自のタッチで愛らしいイラストが描かれた「LACICO(ラシコ)」のスリッポン。家、動物、寿司、唐揚げとビール、こけし、カレーライス・・・と数え上げればきりがないほどの種類がある。
独自のタッチで愛らしいイラストが描かれた「LACICO(ラシコ)」のスリッポン。家、動物、寿司、唐揚げとビール、こけし、カレーライス・・・と数え上げればきりがないほどの種類がある。
LACICOがスタートしたのは、2015年。「夫婦2人で一緒に活動できたら楽しいよね、というとこから始まりました。日常的に使ってもらえるものがいいな、と話し合った結果、靴なら普段から使えるし、履いてもらったらいろんな人に見てもらえるし、お出かけも楽しくなるんじゃないかと思って」と夫のラッシーさん。
イラストを描いているのは、デザインの仕事をしているラッシーさん。履き心地が楽なスリッポンに色をのせて、そこに手描きでイラストを入れていく。最初は家が並んだ柄から作り始めたが、「せっかくなら、ほかにないものにしたい」と、どんどんユニークな作品が生まれていった。
「左右で違う色や柄にしたり、カレーライスに目玉焼きをトッピングしたり、かかとに好きな名前を入れたり。お客さんのリクエストで、無限大のカスタマイズができます」。
手描きだからこその遊び心で、どこまでも自由に、お気に入りの一足を作ることができる。店頭に置いてあるだけでも、その数は相当なもの。ベーシックな柄では40〜50種類、アシンメトリーのものやオーダーメイドも合わせると、数え切れない。
手描きなので一つとして同じ柄はないが、左右でちぐはぐにならないように、線の太さ、柄の大きさ、配置を整えながら描く細かい作業。平面に描くのとは違い、キャンパスは曲面のスリッポン。まっすぐにラインを引くにも集中力が必要だ。「どの角度からでもきれいに見えるように考えて描いています」とラッシーさん。ランダムに描かれていても、角度や余白も計算されているため、手描きとは思えないほど精緻だ。
店頭にはベーシックな柄の靴が並んでいるが、そこにオプションで色やイラストを加えて、カスタマイズする人が多いという。「遊べる余地を残しているので、ウクレレを弾く人ならウクレレのイラストを追加したり、飼っている猫の絵を描いたり、履く人の個性もプラスしてパワーアップできます」。時には、おまかせでデザインをすることも。
履く人のイメージ通りに仕上がるように、デザインを考えてメールでOKをもらってから製作がスタート。何を描こうか、考えるのが楽しいそうだ。
柄によっては3〜4時間で描き終わるものもあれば、7〜8時間かかるものもあり、大変な作業だが、「世の中にないものを生み出しているというやりがいがありますね。履いてくれている人のことを考えながら描いています」と笑顔のラッシーさん。「いろんな人に履いて出かけてもらって、LACICOのスリッポンが広まればうれしいですね。その人たちがばったり出会って、そこから思いがけないコミュニケーションが生まれたり。想像すると楽しいです」。