石組みや苔、植栽などで小さな日本庭園を表現する「ミニ苔庭園」。
ロハスフェスタの出展クリエーターに聞く
石組みや苔、植栽などで小さな日本庭園を表現する「ミニ苔庭園」。
石組みされた景石や、その間を流れる川、腕を伸ばす枝、季節に色づく葉など、季節の風景を描くように植え込まれた小さな世界観が、庭園に憧れる人々を魅了する。じっと見つめていると、まるでその中に引き込まれ、自分が日本庭園の中にいるかのような気持ちになる。
作家は、もともと造園の仕事をしていた高木さん。
マンションや庭のない一戸建てなど、自然が好きなのに庭を持てない人のために、手軽に家の中に飾って庭を楽しんでもらいたいという思いからミニ苔庭園を考えついた。
本物の庭園のように広い場所が必要なく、盆栽のように敷居も高くない。手のひらサイズから大きいものでも30センチほどの小さな空間で、気軽に自然を楽しむことができる。
それはただ鑑賞するだけのインテリアではなく、庭そのもの。それゆえに、植物は成長を続ける。通常の庭園と同様に、花や実がなる種類の植物もあり、枝が成長すれば剪定も必要になる。こうして手入れができることもまた、庭園の楽しみのひとつだ。
「観葉植物のように家の中の環境でも適応しやすい植物と違い、例えば3日程室内に飾ったら、次の1週間は外に出してもらいます。植物を人間の環境に合わせてもらう反面、植物が育つ環境にも合わせてあげる。お互いの共存の関係を築いてほしいです」と高木さん。
植物は、「枯らせてしまって興味を失ってほしくない」と、できるだけ手入れが簡単で剪定しやすいものを選んでいる。
「植物に水やりが必要ということを知らない人もいます。環境を守ることが大切だからこそ、多くの人に自然に興味を持ってほしいですね」。
誰でも手軽に始められる小さな庭づくりが、人と植物、人と自然を繋げていく。