SPICE6が調理を始めると、辺り一帯にスパイスの香りが漂う。その香りにつられるようにお客さんが集まり、いつも長い行列を作る。
ロハスフェスタの出展クリエーターに聞く
SPICE6が調理を始めると、辺り一帯にスパイスの香りが漂う。その香りにつられるようにお客さんが集まり、いつも長い行列を作る。
お客さんの前には、直径60㎝ほどもある丸い鉄板が二枚。そのうちの一枚で、スパイスを混ぜて一週間寝かせた肉が焼かれていく。焼き時間は40分ほど。
その後、その肉を使って一品、一品仕上げていく。大きな鉄板でダイナミックに調理される様は、見ていて飽きない。
食材へのこだわりが強いオーナーのカン・カムランさん。チキンカマージに使っているスパイスは60種にも及ぶ。
独自の配合で粗挽きにされたスパイスが、チキンの旨味たっぷりの脂と混ざり合い、細かな味わいを引き出していく。味のバランスを保つため、特注のピタパンにはわずかな苦味を加えている。
「ピタパンは、チキンカマージの肉の味に合わせたもの。この肉をチャパティロールのパンと合わせても美味しくないんです」とカンさん。一つの商品を開発するのに、1年も2年もかかるという。
カンさん自身が体調を崩していた時期があったこともあり、食の安全にもこだわっている。
塩はパキスタン産の岩塩、ソースの甘みはきび砂糖で、ショートニングなどの油は一切使わず、じっくり焼くことで出てくる肉の脂のみを使うという。
「カレーは、おいしいけれど食べた後に胸焼けがするという言葉をよく聞きますが、そういう言葉が出ないように量も味も考えています。ただ一言、『うまかった』という言葉だけを聞きたい」。
一人ひとりの「おいしい」のために、ありったけの情熱が注がれている。