木漏れ日のなか爽やかな風を感じながら、本を読んだり居眠りしたり…心地よい時間を過ごせるハンモック。里山ハンモックは体験やワークショップを通して、自然に親しむ心豊かなライフスタイルを発信している。
木漏れ日のなか爽やかな風を感じながら、本を読んだり居眠りしたり…心地よい時間を過ごせるハンモック。里山ハンモックは体験やワークショップを通して、自然に親しむ心豊かなライフスタイルを発信している。
誰もが一度は「乗ってみたい」と思うハンモック。そんな望みに応えてくれる里山ハンモックの体験スペースでは、大人も子どももみんな笑顔。ハンモック特有の浮遊感を楽しんでいる。「体験してくださったお客さんの笑顔がやりがいにつながります」と自身も笑顔で話すのは、里山ハンモック代表のみちやまさん。ブース内に並ぶハンモックは全てハンドメイドで仕上げられている。杉や檜の間伐材から生まれた木糸や木布など独自で作り出した紐を使い、一つひとつ編み上げていく。包み込まれるような安心感のある座り心地はハンドメイドだからこそできるもの。「ハンドメイドならではの風合いやフィット感を感じてもらいたいですね」。とみちやまさん。クオリティだけでなく、バリエーションが豊富にあるのも魅力のひとつ。体重100kgの人まで乗ることができる「おとなブランコハンモック」は、親子一緒に乗ることもでき、背もたれがついた「ミニソファハンモック」はブランコのように揺らして楽しめる。サイズやシルエットだけでなく、美濃和紙を織り込んだ和の風合いを感じるハンモックなど、様々な種類が展示されている。
体験スペースのとなりでは、ハンモックづくりのワークショップが開かれていた。好きな色の紐を選び、サイズによって10分から1時間程度かけて編んでいく。初めは会話しながら編み進めるが、だんだん無口になって編むことに熱中していくのだという。「水の波紋が広がるように、ハンモックに乗った人から取り囲んでいる人たちへ、喜びや笑顔が伝わっていけばいいですね」とみちやまさんは話す。ちなみに、ワークショップで編む前の段階まで、型枠に糸を張ってくれているのは障害者支援施設の利用者だ。最初の結び目をつくったり、糸を道具に巻き付けたり、下ごしらえを依頼しているそうだ。
里山ハンモックを始める前は、ITエンジニアとして黙々とパソコンに向き合う仕事をしていたみちやまさん。週末はリフレッシュのため自然のなかへ出かけていたという。「ツリーハウスの体験イベントに参加したとき、木に吊られていたハンモックに乗り、その魅力を知りました」。その後ITエンジニアの仕事を辞めて、ハンモックの製作と販売を始めたそうだ。「最初は友達に乗ってもらって要望を集め、ひとつずつ実現していきました。個人宅に設置したり、キャンプする方にレンタルしたり。友達の友達、その友達からも要望を受けるようになり、カフェでワークショップを開催したり、イベント会社から設営の依頼を受けたりと仕事して広がっていき、今に至ります」とみちやまさんは話す。
今後は、無重力のような状態を体感できるハンモックや、災害時に寝泊まりできるハンモックなど、新しいハンモックづくりにも挑戦したいと意気込む。そして、「ハンモックを木陰に吊すと涼しく、エアコンなしでも過ごせます。地球温暖化を防ぐライフスタイルのひとつとしても広がればうれしいですね」と、環境や社会のために役立てるような提案も行っていきたいという。