癒し効果もあって最近人気を集めている「苔」をアクセサリーに閉じ込めたBarie(バリエ)。苔の渋いモスグリーンの色合いや表面の繊細な凹凸もそのまま。落ち着いた真鍮やシルバーの色合いや質感とも相性が良く、上品なコーディネートに加えたいアイテムだ。
癒し効果もあって最近人気を集めている「苔」をアクセサリーに閉じ込めたBarie(バリエ)。苔の渋いモスグリーンの色合いや表面の繊細な凹凸もそのまま。落ち着いた真鍮やシルバーの色合いや質感とも相性が良く、上品なコーディネートに加えたいアイテムだ。
芸大で金工を学んだ稲葉りえさんは、オリジナルのアクセサリー作りを始めるにあたって自然を取り入れることを考えた。「昔から道端に生えている雑草が好きでした」。他とは違っていて新しい素材として一番に浮かんだのが苔や芝生といった身近な植物だった。
使用する苔には、フラワーアレンジメントなど観賞用の素材で乾燥したものを使用。苔の色は様々なので、ピンセットで少しずつ取り集め、美しい色合いをデザインする。仕上がりは素材本来の色と透明樹脂のツヤが合わさって苔の美しさが引き立ち、表面を触ると元々の苔の表面形状が写しとられた触感も楽しめる。まん丸な真鍮の中で青々と茂る苔は盆栽のような小さな「世界」が感じられ、独特の存在感を放つ。
その他、自然素材を使った作品では、溶岩由来の軽石を使ったものも。天然にできたランダムに空いた穴が味わい深く、透明度の高い天然石とはまた違った魅力を放つ。
これら天然素材を閉じ込めたシリーズに負けず劣らず人気なのが、真鍮やシルバーで植物をかたどったシリーズ。独特なのはそのモチーフ。イネやツタのほか雑草や種など、決して華やかとは言い難い。しかし稲葉さんの手にかかると美しく変身を遂げるから不思議だ。「忠実に再現するというよりも、植物を形として抽象的にとらえています」と独自の視点で再構築された植物は、自然の持つ緩やかなカーブや、細かい実、葉脈や種の筋まで、遠目では分からないが細かい細工がなされている。
特にスイバという雑草は小さな実が鈴なりになっていて、素人目にも作業の大変さがうかがえる。「同業者の人にも『よくこんなの作ったね』と驚かれました」と稲葉さんは笑う。金工の作業にも様々な方法があり、より簡単に一度でたくさん作る方法もあるが「植物の表情が出るので、時間がかかってもできるだけ手を動かす方法を取っています」と品質を優先して作品づくりを続けている。