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伝統工芸を現代風にアレンジ 遊び心溢れたクラフトアイテム –Sincerity Craft-

東大阪で仏壇を中心とした各種木工商品のオーダーメイドを手掛ける、山口仏壇製作所が取り組むプロジェクト「Sincerity Craft(シンセリティクラフト)」。仏壇製作で出る端材をアレンジした、写真立て、名刺入れ、マグネット、一輪挿しなど、職人技とアイデアが詰まったクラフトアイテムが生み出される。



一般的に知られることが少ない仏壇作りには、伝統の技と知恵が注がれ、唐木や銘木のなかでも良材が使用される。「仏壇は完成までに、木取り、加工、研磨、塗装、組立の工程を経て作られます。この工程の中には、高精度の木工機械を使い、部材一点ずつを手作業で加工する熟練した伝統工芸技術が必要なんです。この技術のすばらしさをより多くの人に知ってほしいというのと、端材を活かすエコリサイクルの観点からSincerity Craftはスタートしました」と話すのは、仏壇職人の森さん。

-Profile- Profile- Sincerity Craft 森 正法さん
職人歴15年の森さん。普段は、仏壇の生地をキレイに仕上げる工程を担当している。「伝統工芸のすばらしさをもっと多くの人に伝えたい」という強い意気込みを持ち、Sincerity Craftを立ち上げた。

現在までに手掛けた商品は実に50種類以上、全て職人たちの発想から生まれているという。「大切にしているのは、遊び心。固定概念にとらわれることなく、『こんな商品があったらカッコイイだろうな』とか『こんなデザインが面白いな』と、話し合いながらデザインをしています。仏壇職人と聞くと、お硬いイメージを持たれるかもしれませんが、実は発想力が求められる仕事なんです。仏壇には決まりがないので、ご注文いただく方の思いや考えに基づいて、柔軟に対応しなければいけない。だから、新しいものを作り出すのは得意なんですよ」。

木材の色合いが生かした、タイピン(3,500円〜)。発色にムラがでないように表面に薬剤を塗るのも伝統工芸の技のひとつ。

その発想を形にできるのは、どの職人も高い技術力をもっているからこそ。中でも、仏壇づくりでは最も大切とされる“可動(スライドさせる仕組み)”の技術は伝統工芸ならではの英知が注がれる。硬い材料を自身の手の感覚だけを頼りに加工し、可動の仕組みを築いていく。「扉や仕切りが、ひとつの引っ掛かりもなくスムーズに動く。また、些細な動作では不具合が生じないのも私たちが誇れる伝統工芸の技術なんですよ」という森さん。

木材の表面に細かいデザインを入れるのも熟練の技術によって生まれる。

伝統工芸の技を現代の人々にも伝わるようにリノベーションを続けるSincerity Craft。「3Dアートのような新たな技術も取り入れながら、商品作りにも挑戦したいですね」と、尽きることがない情熱を語ってくれた。

ユニークなデザインの商品も多い。メモやPOPなどを挟む、おにぎり型のクリップスタンド(500円〜)がその代表だ。
小物ばかりではなく、椅子や家具、テーブルなども手掛けている。
端材でつくるガーランドづくりができるワークショップ。