しっとりふわふわとした食感や、甘い芳醇な香りが魅力のシフォンケーキとラスクを手掛ける「DE LA BLANCHE 1090(ドゥ ラ ブランシュ イチマルキューマル)」。店主の福本佳奈さんが思い描いたのは、「子どもと一緒に安心して食べられるお菓子」だった。
しっとりふわふわとした食感や、甘い芳醇な香りが魅力のシフォンケーキとラスクを手掛ける「DE LA BLANCHE 1090(ドゥ ラ ブランシュ イチマルキューマル)」。店主の福本佳奈さんが思い描いたのは、「子どもと一緒に安心して食べられるお菓子」だった。
「友人からアレルギー体質をもつ子どもの苦労を聞いていました。なかでも誕生日でケーキを一緒に食べられないことがかわいそうに思っていました」。そんな友人の苦労を少しでも和らげたいと、ブライダルのフラワーコーディネーターとして働く傍ら、フードコーディネーターの友人のもとでお菓子づくりの勉強をスタートさせた。
最初に取り組んだのは、身体に優しい食材を使うことだった。そこで、着目したのが、豊かな自然の中で育てられた平飼い卵、奈良県の代表米として知られる「ひのひかり」を主な原材料とした米粉だ。そして、乳製品の代わりに遺伝子組換えではない有機豆乳を使うことに。
これらの素材を使って作ろうと決めたのが、福本さんのお子さんが好きだったというシフォンケーキ。「良い素材に巡り会えたので調理にもこだわり、何度も試作を重ねました」。福本さんが理想として思い描いたのは、従来のシフォンケーキを超えたふわふわの食感としっとりとした喉越しだった。「生地のふわふわ感の決め手となるメレンゲの作り方を工夫しています。ひとつは、気泡をつぶさないように卵白を手早く混ぜること。そして、豆乳と混ぜ合わせるタイミングと焼く温度などに配慮をすることで、独特のふわふわでしっとりした食感を生み出すことができたんです」。
こうした手間暇の中で丁寧に作ったシフォンケーキをさらに進化させたのが、ラスク。口に入れると、ジュワっと溶けてなくなるスフレのような食感が特徴だ。バター不使用のカロリーオフということもあり、特に女性から人気の商品だ。
こだわりのシフォンケーキやラスクは、百貨店やイベント出店で人気を集め、今では地元奈良に実店舗を出店するまでに。営業開始から間もなく多くの客で賑わうほど、地元では知られる専門店となっている。「おいしさを追求するだけではなくて、安心して食べることを楽しめる。ケーキ作りを始めるきっかけとなったその思いを忠実に守りながら、これからも身体に優しいケーキをご提案していきたいですね」。