さまざまな時代を超えてきた廃材や古材を活用し、手作りの調度品として新たな息吹を与える「COFUL」。アンティークとは違う、古き良き時代の風合いと現代的なデザインがひとつになった新たな調度品に心が動くはずだ。
さまざまな時代を超えてきた廃材や古材を活用し、手作りの調度品として新たな息吹を与える「COFUL」。アンティークとは違う、古き良き時代の風合いと現代的なデザインがひとつになった新たな調度品に心が動くはずだ。
「同じ素材の木でも、新しいモノと100年ぐらい時代を経たモノでは、まったく風合いが違うんですよ。それに、古い木の方が丈夫。そうした面白さに気付いて、個人的な趣味として少しずつ始めました」とオーナーの西河さんは話す。木材の面白さに気づき、廃材や古材などを用いて時代の味わいを引き立てるオリジナル調度品を手掛ける「COFUL」はスタートした。
一口に廃材や古材を活用するといっても、当初は果てしない苦労が続いたという。「まず、メンテナンスが大変なんです。古い材料ですから消毒は必須。汚れがひどい時は傷んだ部分だけを丁寧に削っていく。それに、完全に乾燥させるために数日間天日干しをしてから、湿度が少ない場所で保管しなければいけないんです。それからやっと作業に入るんですから時間は随分かかりますよ」。その手間隙によって実用性が伴う調度品が生まれるのだ。
商品価値を大きく左右するのは、その素材。とはいえ、新しい素材とは違い、いつでも仕入れられないのが廃材や古材の課題だった。「店舗工事やリフォーム、庭の工事などを手掛ける仕事をしているので、築年数が古い物件を担当する時に確保するようにしています。闇雲に作業をすると廃材を使えなくなるので、欲しい廃材がある箇所はすべて手作業。まるで、発掘作業をしている感じですね(笑)」と笑う、西河さん。ある程度、素材が溜まってくると作業に入るという。
「頭の中で、『あの廃材があったな』と思い出しながら商品のイメージを固めていきます。もちろん、廃材だけでは完成しない場合もあるので、同時進行で海外から取り寄せる年代物の廃材も仕入れています。新しい素材はできるだけ使わないのがひとつのポリシーですね」。西河さんが手掛けた商品を眺めてみると、確かに金具やネジにいたる細かい部分まで古き良き時代の風合いがある部品を使用し、それが独自のヴィンテージ感を演出しているのだ。
「素材を生かすコツは徐々にわかるようになってきました。あとは、もっとモダンなデザインを磨きながら、世代を問わず色々な人に手に取ってもらえる商品を手掛けていきたいですね」と語る、西河さんの飽くなき挑戦はまだまだ続く。