絵本から飛び出してきたようなかわいい動物や、フルーツが描かれた子ども用のTシャツ、カラフルな布づかいが印象的なスウェットキャップやヘアゴムなどを手掛ける「Flipps」。八田哲也さんと心さん夫婦が、自身の子どもの誕生をきっかけに立ち上げたブランドは、年月を経てたくさんの家族を笑顔にしている。
絵本から飛び出してきたようなかわいい動物や、フルーツが描かれた子ども用のTシャツ、カラフルな布づかいが印象的なスウェットキャップやヘアゴムなどを手掛ける「Flipps」。八田哲也さんと心さん夫婦が、自身の子どもの誕生をきっかけに立ち上げたブランドは、年月を経てたくさんの家族を笑顔にしている。
デザインや製作は、以前からグラフィックデザインをしていた哲也さんが担当する。Tシャツは太くて手書きの味が残る線に、少な目の配色で描かれた図柄が特徴的だ。よく見るとバナナのデザインには「yellow」、象には「パオーン」と小さい文字が書かれるなど遊び心もちらりとのぞかせる。デザインは「子どもに気に入ってもらえるもの、Tシャツを手にした人に『かわいい』『笑える』と思ってもらえるような、どんな人にも受け入れられるものにしています」といい、アイデアは「町を歩いて見つけたものや、絵本などで見たものを頭の片隅で覚えていて、自分なりにアレンジします」と哲也さん。
Tシャツ以外のラインナップに使っているのは、不思議な幾何学模様と色合いが美しいアメリカの生地。別素材の布と組み合わせたナイトキャップはてっぺんで結び目を作ってワンポイントにし、ヘアアクセやイヤリング、よだれかけなどは、布の上からさらに哲也さんのイラストや幾何学模様をシルクスクリーンでプリントする。柄の上に柄を乗せても違和感なく馴染み、個性がプラスされている。
実は、見えない部分も細やかな気遣いが。「手作りの良さを出していますが、それだけではダメ。赤ちゃんが使うこともあるので、ちゃんとしたものを売りたい」と心さん。丁寧に袋詰めされ、哲也さんデザインのパッケージの帯を付けた。Tシャツなどはインクを定着させた後に色落ちをチェックし、陳列している商品がもし汚れたら棚から外すなど、品質管理は「百貨店に出しても恥ずかしくないものを」と言うのにもうなずける徹底ぶりだ。
地元京都に店を構えるが「お客様と会って話せるし、気兼ねなく見てもらえるので」とほぼ週末はイベントに出店している。「Sサイズだけのつもりだった商品を買っていただいたお客様に『子どもが大きくなったからMも欲しい』と言われて、だんだんサイズが増えています」と心さんは笑う。ブランド立ち上げ時に幼かった娘も小学4年生になり、行く先々のイベントで友達もできたのだとか。これからも自分たちやお客さんの子どもたちと共に歩んでいく。