裂いた布を使ってアクセサリーやカバンづくりを行う「okyan」。服の生地や端切れを生かした個性的なコンセプトでありながら、手作業で繊細に作られた作品は華やかさにも満ちている。独学だからこその直感的な発想でものづくりを行う渡邉さんに話を聞いた。
裂いた布を使ってアクセサリーやカバンづくりを行う「okyan」。服の生地や端切れを生かした個性的なコンセプトでありながら、手作業で繊細に作られた作品は華やかさにも満ちている。独学だからこその直感的な発想でものづくりを行う渡邉さんに話を聞いた。
渡邉さんがつくるのは、布を用いたアクセサリーやカバンなどが中心だ。その手法は独特で、服の生地などに使われる布を引き裂いて、それを素材にして編んだり、縫ったり、自由な発想で組み合わせる。一見シンプルな作りに見えるが、柔らかい布の質感が不規則ながら繊細なグラデーションを作っていて、私たちの目を楽しませてくれる。
全て手作業で作品づくりを行う渡邉さんだが、「実は美術学校に通うとか、専門的な教育を受けたことはないんです。直感的に自分がかわいいと思うものを作り続けています」とのこと。むしろその自由な創造性が人を惹きつけるのかもしれない。ロハスフェスタでは10代から60代などさまざまな人が訪れ、幅広い年代に人気を博していた。
渡邉さんがアクセサリーづくりを始めたのは2016年ごろ。当時2歳の娘に髪留めを作ったことがきっかけだったとか。そのときに閃いたのが、家で余っていた生地の端切れを利用することだった。
「家にたくさん端切れがあるのを見て、常々もったいないなと思っていたんです。それでいろいろ組み合わせてみたらすごく可愛い髪留めができて、娘がとっても喜んでくれたんですよ」と渡邉さんは振り返る。
もともと編み物をしたり絵を書いたり、何かを作ることが好きだった渡邉さん。このときの経験で、「自分が作ったもので人を喜ばせる楽しさを実感した」という。その後も、服やカバンづくりが趣味の友人たちから端切れを分けてもらい、アクセサリーづくりに没頭していった。
2021年秋のロハスフェスタに出展したアクセサリーも、余った衣服の一部が素材になっている。コロナ禍の影響で余ってしまった衣服を百貨店などから提供してもらい、作品へと転用した。もともと端材を利用したアクセサリーづくりが原点であるだけに、今回の作品にも渡邉さんの「もったいない精神」が宿っている。
「今後は、アクセサリーづくりはもちろん、並行して活動している絵画にも力を入れて、両立させていきたいです」と語る渡邉さん。今後も自由な発想でものづくりと向き合う。