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仏壇づくりで磨いた高度な技術を結集し、“カッコかわいい”木製雑貨を生み出す-凸凹印の木工所-

「木製雑貨の面白さを知ってほしい。使い心地も良いし、オブジェとしても魅力的なんですよ」。そう語るのは、木製雑貨ブランドの凸凹印の木工所のオーナー大成敦史さん。仏壇づくりで用いる技法や工夫を各所に散りばめながら、木の特性をうまく利用したデザイン性と機能性を両立させている。



大成さんが、家具づくりを始めたのは15年ほど前。ライフスタイルや住環境の変化により、自宅に仏壇を備える家庭が減少。それに伴い、仏壇の生産台数も大幅に減少していった。その中で、大成さんをはじめ、仏壇職人の仲間と共に立ち上げたのが、雑貨や家具などを製作・販売するブランドだった。「使用するのは、仏壇づくりの時に出る端材を使おうと。高級な唐木が中心なので、質感や耐久性なども問題なし。あとは、とても硬い木なので、それを加工する技術を磨くだけでした」。

硬い木ほど、曲げたり、削ったり、組み合わせたりするのは至難の業。職人たちは、普段から仏壇づくりで磨いていた技術を応用しながら、つぎつぎとアイテムを手掛けていった。その中で、大成さんは独自のデザインを模索しようと、個人で凸凹印の木工所を立ち上げ、新たなスタートを切った。

-Profile- 凸凹印の木工所 大成 敦史さん
大工の専門学校を卒業後、仏壇職人に。約20年近く仏壇づくりで腕を磨き、凸凹印の木工所を立ち上げ。モノづくりの街・東大阪市に拠点を置き、木にまつわる仕事を展開。素材が持つ魅力を最大限に活かすアイテムづくりをモットーに活動を続けている。

大きな魅力はデザイン性の豊かさ。アンティーク感のある重厚な雑貨から、動物をモチーフにした可愛いデザインまで多種多様。その全てのデザインは大成さん一人で考案している。さらに、細かい作り込みの高さもファンから評判だという。

「例えば、名刺入れの蓋を閉じた時の“カチッ”という音。この音も、きっちり木と木が組合わさらないとこれほどキレイな音は出ません。あと、小箱の引き出しもスムーズに出し入れができます。こうした可動部分は仏壇づくりの技術が大いに生かされていますね」。同時に、良質な素材を使っている分、高級感もプラスされ、大切な人へのプレゼントとして購入する人も多いのだとか。

「これまでにない木製雑貨を作りたい」という思いから生まれた、一輪挿し

また、従来の雑貨ばかりに目を向けるのではなく、新たな暮らしぶりに合致したアイテムも数多く手掛けている。その代表例が、木製スピーカーだ。「電気関係の専門家と共に共同開発しました。木の厚みや角度を調整しながら、最も心地よい音が伝わる方法を追求し製作しました」。

仏壇づくりでは経験したことがない領域まで踏み込み、新たなアイテムを手掛けていく大成さん。その理由について、「どんどん人の好みや趣向って変化していきますよね。職人として、そのニーズに対応したいというのが全てです。だから、いつの日か仏壇も現代に合わせて、オブジェっぽい形も求められるんじゃないかと思います」と話してくれた。

耐久性と使い心地を追求した木製家具

これからもデザイン性やアイテムのバリエーションも、どんどん広げていきたいと話す大成さん。その中で、当面の目標にしているのが家具づくりだという。「家具って意外と難しいんですよ。日常的に触ったり、動かしたりするので、耐久性を維持させる工夫が必要です。雑貨類は何年使っても大丈夫なんですが、家具の場合はどんな工夫をすれば良いんだろうって。まだまだ、探求していくつもりですよ」と笑顔で話す、大成さん。今後、どのような雑貨や家具を生み出すのか、その活動に目が離せない。

昭和時代のブラウン管テレビをモチーフにしたスマホスピーカー