ドライフラワーの花びらや葉っぱを花束のようにまとめ、アクセサリーに閉じ込めた「toi toi toi」のアイテム。オーナーの河野咲さんは、生花店で学んだ経験をいかして、生き生きとしたドライフラワーの輝きをそのままに、一つずつアクセサリーへと仕上げていく。
ドライフラワーの花びらや葉っぱを花束のようにまとめ、アクセサリーに閉じ込めた「toi toi toi」のアイテム。オーナーの河野咲さんは、生花店で学んだ経験をいかして、生き生きとしたドライフラワーの輝きをそのままに、一つずつアクセサリーへと仕上げていく。
生花店で働いていた河野さんが、ドライフラワーを使ったアクセサリーを作ろうと思い立ったのは3年ほど前。草花を自宅に飾るだけではなく、肌身に付けるアクセサリーにすれば、もっと暮らしに彩りを添えられるんじゃないか。そう思った河野さんは、独学でドライフラワーとアクセサリーづくりをスタート。その最中、お店で目にした光景をきっかけに現在のコンセプトを思いつく。
「お店に来られたお母さんが、娘さんにお花のことを教えていたんです。その姿がとても素敵で。私がつくるアクセサリーも、親子で身に付けられるようにすれば、そんな光景が広がるような気がして」。その思いから、親子でも付けられることをデザインのコンセプトに「toi toi toi」というブランドを立ち上げた。
「toi toi toi」のアクセサリーは、レジンの中にドライフラワーを閉じ込めて作られる。ドライフラワーの花びらの輝きをちゃんと伝えるためには、透き通るようなレジンクリスタルにしなければいけない。河野さんは言う。
「最初は苦労しましたね。レジンの中に花びらを入れると、どうしても気泡が出てしまう。温度や入れるタイミングを工夫して可能な限り出ないように作って、残りはレジンが割れないように少しずつ削っていくんですよ」。その手間隙をかけることで、見るも美しいアクセサリーとして仕上げることができる。
お店に訪れるお客さんに話を聞くと、「落ち着いた印象だけど、子どもにも合わせられる」「やさしい雰囲気が好き」という感想が多かった。この点について、河野さんは「余計な装飾をせずに、シンプルなデザインにまとめるようにしています。その分、ドライフラワーのデザインがポイントになりますね」。
そのため、まるで花束をコーディネートするように、ドライフラワーの花びらを集めて、1点ずつ色合いや形状のバランスを調整しながらアクセサリーの中で組み上げていく。大切にしているのは、やわらかい印象になること。派手な色合いにしない。とがったデザインになりすぎない。それを意識することで、親子でも身に付けられるデザインに仕上がっていく。
現在、インターネットを中心に、定期的に行われるイベント出店で販売を行いながら、徐々に人気を集めるようになった「toi toi toi」。河野さんはアクセサリーのバリエーションを増やす中で、今後は子どもに向けたアイテムを展開していきたいという。
「アクセサリーを付けて喜ぶ子どもさんの姿を見ると本当に報われたような気持ちになります。その思いから、知育を関連したようなアイテムを手掛けてみたいですね。オブジェだったり、アクセサリーだったり。まだまだ、やりたいことはたくさんあります」。大人も子どもも輝ける。そんなアイテムを生み出すため、河野さんはひたむきにものづくりに向き合い続ける。