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捨てられる生地を、日常に欠かせない服やカバンへ-webber-

倉敷を拠点に活動するwebberは、デニムを使った衣類や、帆布を使ったカバンなどを製造するブランドだ。本来捨てられてしまう生地を使ったとは思えないほどハイクオリティな逸品を作る森下さんは、「せっかく元はいい生地なんだから、使わないなんてもったいない」と語る。



森下さんを含め、わずか3人の少数精鋭で行うwebberの服作り。現在は大手デニムブランドのOEMが中心で、一日の仕事を終えた後、何とかやりくりしてwebberブランドのオリジナル品のために時間を捻出しているという。

ブランドを立ち上げたのはコロナ禍の真っただ中。森下さんは世間のニーズに応えるべく、「マスクや防護服の製造に明け暮れていた」と振り返る。それでもオリジナルの服を作りたい情熱は途絶えることなく、模索を続けた。

-Profile- webber 森下貞雄さん
広告代理店に勤めたのち、子どものころから憧れだったアパレルの世界へ。「手に入った生地からどんな服を作るのか考えるのが楽しい」と笑顔で語ってくれた。

考えついたのが、OEMで請け負った製造の過程で余った生地を利用することだった。余った生地といっても、長さは平均で2メートルから3メートル、なかには10メートルの生地もあるのだとか。質の高い生地でありながら捨てられてしまう現状を見て、「なんとかできないか」と思ったのが始まりで、今では他の工場からも余った生地を仕入れるほどになった。

ワンピースなどレディース向けの服作りから始まり、現在はデニムの製造も行っている。「倉敷といえばジーンズ。地元の名物なので、ブランドの立ち上げ当初から作るつもりでした」と森下さん。幅広い世代がオールマイティに使えるよう、太めと細めの中間のシルエットで、シンプルなデザインに仕上げている。また、1種類の生地から作れるジーンズの本数は限りがあるため、色味や質感が少しずつ異なる点も特徴だ。

生地の調達コストをおさえているので、安価で購入できるのも魅力の一つ。

森下さんがジーンズ以外にもこだわっているのが、帆布を使ったカバンづくり。昔ながらの織機を使う帆布の加工はどうしても細かな織り傷が出やすいそうで、こちらも本来捨てられてしまう生地を活用している。厚みのある素材は織るのが非常に難しいそうだが、それだけに生地の丈夫さはバッチリ。さらに防水加工を施し、日常でも使いやすい工夫を加えている。

「ジーンズもカバンも、買い物や散歩など、生活の中で使いやすいように作っています。イベントに出展するとお客様から『こんなサイズの服やカバンがほしい』と要望をもらうことも多いので、今後はそういうリクエストにも応えていきたい」と森下さんは語った。

帆布のカバンは、素材感を生かしたシンプルなデザインが特徴だ。