優しい質感と緻密な装飾が調和した「mū」のアクセサリー。この背景には、素材選びからデザインまで「ナチュラルであること」への並々ならぬこだわりがある。ブランドを手掛ける田口さんに話を伺った。
優しい質感と緻密な装飾が調和した「mū」のアクセサリー。この背景には、素材選びからデザインまで「ナチュラルであること」への並々ならぬこだわりがある。ブランドを手掛ける田口さんに話を伺った。
大ぶりなタッセルが特徴的なピアスは、デザインに応じてシルク・コットン・麻、さらにはシェル素材を用いるなど、見た目の雰囲気だけでなく素材選びから「ナチュラル」にこだわっている。
「オーガニックコットンなど、環境負荷の低い素材を選ぶようにしています。化学繊維だと、どうしても破棄された後のことを考えてしまうんです」と語る田口さん。購入してもらったアクセサリーを入れる小袋も、ビニール袋ではなく麻の巾着を使うようにしているのだとか。
ブランドを立ち上げたのは2022年4月のこと。「もともとは、自分が欲しいものを作りたいと思って。大きなタッセルがぶらさがっているピアスが好きなのですが、しっくりするものがなく、自分で作り始めたのがきっかけです」と語る田口さん。服飾系の専門学校などに通った経験はなく、独学で制作に取り組み始めたという。
田口さんが大切にしている「ナチュラル」な雰囲気を生み出すには、素材や質感だけではなく、デザインの統一感が重要で、トップとタッセル部分のバランスには並々ならぬこだわりがあるいう。「タッセルが大きすぎるとトップが目立たなくなります。感覚になりますが、付けたときのバランスをみて調整しています」。また、なるべく素材本来の色味を生かすように意識して、人工的な印象を与えないようにも工夫しているという。「生成りの素材や天然石など、先に使いたいものを選んでから、それを最大限生かせるバランスや色味を考えながら制作しています」。
実は、「mū」のほかにシルバーを基調としたモード系のブランドも手掛けている田口さん。「対照的なブランドを展開することで、mūのナチュラルな作風がより洗練されている実感があります。コンクリートの建物に囲まれていると、緑が恋しくなるようなものかもしれません」。今後はインテリアとして楽しんでもらえるモノ創りへの挑戦も考えているという。