無駄を削ぎ落としシンプルに、長年の相棒になる天然素材のバッグ／itotoa.

優しい色使い。天然素材らしい触り心地。ふだん使いにピッタリなサイズ感。Itotoa.の中村さんが作るバッグは、日常のあらゆるシーンに馴染むシンプルなデザインが特徴だ。女性にも男性にも根強いファンがいる作品の数々は「あえてこだわっていない」のがポイントだと話す。

中村さんが作るハンドメイドのバッグは、綿や麻など国産の天然素材のみを使い、なるべく生地の風合いをそのまま生かしたものづくりを心がけている。「自分では素材へのこだわりがそこまで強いとは思っていません。ただ、自然とふだん着る服は天然素材のものを選ぶことが多いです」。

現在のものづくりを始めたのは、出産を機に子ども服を作ろうと思ったのがきっかけだ。次第に自分が欲しいものも作るようになり、趣味で作っているうちに、友人から制作を依頼されることが増えたそう。

-Profile- itotoa. 中村真佐代さん
普段は地元愛知のマルシェなどを中心に出店している中村さん。「手軽に買える価格で、たくさんの種類を作るのが楽しい」と話す。

中村さんの作品の多くは、持ち手が一つのみのワンハンドルバッグだ。シンプルな作りを追求した結果、日常での使い勝手の良さにもつながっている。広く支持される理由は、優しい色使いにもある。アイボリーやモカグレーといった落ち着いた色が特に人気だ。バッグの形状は5種類で、それぞれカラーバリエーションは7種類前後。色とりどりのバッグが彩る空間は、大人から子どもまで思わず足を止めてしまう。

ふだん使いしやすいように「大きすぎず小さすぎず」のサイズ感で作っている。

こだわっている点について尋ねると「むしろ、こだわっていないところがポイントです」とのこと。主張しすぎないシンプルなデザインで、圧迫感を感じないような作りを意識しているという。「金具は付けていませんし、装飾も一部のモデルにタッセルをつけているだけで、なるべく最小限にしています。日常のどんなシーンでも使ってほしいですから」と語る中村さん。実際、色が褪せて破れるまで何年も使い込む人が多く、そんな人たちがまたリピーターとして買い直すことも多いそう。飽きが来ないシンプルなデザインだからこそ、多くの人に長く支持されている。

無駄をそぎ落としたデザインが支持され、女性はもちろん男性からの人気も高いという。

アクセサリーの制作も始めた中村さん。マスクストラップが密かなマイブームなのだとか。ビーズであしらった可愛らしいデザインは、子どもにも使ってもらえるようにデザインしている。