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人にも地球にも優しい天然素材100%の歯ブラシ -Nhes.-

材料は全て天然素材でプラスチックフリー。「自然に還る歯ブラシ」をコンセプトに掲げ、職人が一つ一つ手作業で仕上げる「turalist(チュラリスト)」。歯ブラシの一大生産地の一つである東大阪でものづくりを行うNhes.(ナエス)の村中さんに話を聞くと、材料選びや製造工程など、たくさんのこだわりを明かしてくれた。



turalistの持ち手の部分にはブナの木を使用。友人の家具職人とのコラボで、家具製作の過程で生じた端材を活用している。「ブナの木は適度な硬さとしなりがあるのが特徴で、加工しやすく、植え付けた毛が抜けにくいんです」。毛の部分に使うのは、主に食肉用として育てられた馬や豚の毛。直接肌に触れる化粧筆などにも使われる材料なだけに、柔らかい感触が特徴だ。塗料には、古くから寺社仏閣の補修に使われている荏胡麻油を使用。環境に優しい天然塗料を3回重ね塗り、防虫・殺菌・撥水効果を高めている。

-Profile- Nhes. 村中克さん
普段はプラスチック加工に従事している村中さん。あるとき海洋ゴミの問題に触れて「業界の人間として何か貢献できることはないか」と考えたのがものづくりのきっかけに。

turalistの製造工程は、歯ブラシの一大生産地の一つといわれる東大阪の職人技によって支えられている。端材から大まかな型を工作機械でくり抜いた後は全て手作業。中でも一番難しいのは、歯ブラシの毛を植え付ける工程だ。天然木を使っているため植え付ける間隔は微妙に異なり、機械化・自動化が進んだ現在の製造技術では、かえって対応が難しくなるという。この道30年のベテラン職人が約50年前の植毛機を巧みに操り、一つひとつ植え付けていく。そんな丁寧な作業の数々を経て、turalistは完成する。

実際に毛の部分に触れてみると、チクチクせず柔らかい感触。歯や歯ぐきを労わりたい人にとってうれしいポイントだ。

「この植毛機が残っていること自体が奇跡だし、扱える職人が残っているのはもっとすごいこと」だと村中さんは語る。使用する半手動式の機械はすでに廃版のため、交換部品は手に入らず、メンテナンスできる業者もいない状況だ。そのため、自分たちで修理しながら大切に使っているという。

4年の歳月をかけて現在の形にたどり着いたturalistは、2021年のクラウドファンディングで支援を募って以降、中高年を中心にリピーターが徐々に増加している。村中さんは、一つの歯ブラシを長く使ってもらうためにメンテナンスサービスを始めた一方で、「将来的にはもう少し価格を抑えた新商品にも挑戦したい」と語る。

歯ブラシの硬さは、硬い・ふつう・柔らかい・すごく柔らかいの4種類。自分好みの硬さを選べる。

さらに、ヴィーガンでも使えるように、動物性の素材を使わない新商品の開発も検討しているそう。環境問題をきっかけに生まれた、人にも地球にも優しい歯ブラシが、東大阪の町工場から広がっている。

持ち運び用にケースやカバーも制作。長く使える丈夫な逸品なだけに、職場や外出先で使用するのもおすすめ。