明るい白の帆布生地に、異なる風合いの生地を組み合わせたトートバッグを作るuninenの川中さん。華やかなリバティプリントを巧みに用いたポーチなどの小物類を作るsolatioの林さん。両者のこだわりが詰まったブースには、世代を問わず多くの人が足を運んでいた。そんな二人にものづくりへの思いを聞いた。
明るい白の帆布生地に、異なる風合いの生地を組み合わせたトートバッグを作るuninenの川中さん。華やかなリバティプリントを巧みに用いたポーチなどの小物類を作るsolatioの林さん。両者のこだわりが詰まったブースには、世代を問わず多くの人が足を運んでいた。そんな二人にものづくりへの思いを聞いた。
川中さんが作るトートバッグのメインとなるのは、国産の丈夫な帆布生地。合わせる素材は、コーデュロイ、ウール、ファーなど多岐にわたり、季節感やイベントに合わせてさまざまな材料を使い分けている。
使うほどに生地が柔らかくなり、経年変化も楽しめる帆布の良さを生かしつつ、多様な素材やレザーハンドルとの組み合わせで生まれる、カジュアルときれいめの絶妙なバランスが魅力だ。「いろんな服装に合わせてもらって、日常で気軽に使ってもらえたら」と川中さんは語る。
川中さんがカバンづくりを始めたのは3年ほど前のこと。もともとトートバッグが好きで買い集めていたものの、帆布を使ったカバンはカジュアルなものが多く、「もう少しきれいめの服装にも似合うカバンが欲しいな」と考えたのが始まりだった。とはいえ、自分で作ろうと思い立った時点では全くの未経験。本を買って、仕事の合間を縫って独学で試行錯誤を繰り返した。
およそ1年経って現在の形が出来上がったが、できるだけ長く使ってもらうために、今でも少しずつ改良を続けている。さらに、帆布と合わせる下部分の生地のバリエーションは年々増加しているそう。
「今回のロハスフェスタでは、お子様がいるお客様の声に応えてショルダーバッグも作りました。いろんな意見をイベントやSNSで頂いていますし、いろんなタイプのカバンづくりに挑戦したい」と語る川中さん。これからも、あくなき向上心を力に変えてものづくりを続けていく。
大小さまざまなサイズのポーチを作るsolatioの林さん。華やかな花柄は、根強い人気をほこるリバティプリントを使用。数万種類を超えるといわれる数多のプリントパターンの中から、ポーチにしたときに映える柄をセレクトしているという。化粧品入れにしたり、裁縫道具をしまったり、利用シーンは人によってさまざま。撥水生地を使ったポーチには、子どものおむつを入れる人も多いのだとか。
solatioのブランドを立ち上げて2年になる林さん。川中さんと同様、服飾関係の専門的な経験はなく、独学でポーチづくりを始めた。もともとは、出産を機に子ども服を作ろうとミシンを購入したのがきっかけだったそう。本格的に活動を始めるにあたって、自分が好きなポーチづくりに絞ることに決めた。
林さんがものづくりを行ううえで欠かせないのが、購入客からの声だ。Instagramを通じて「こんなサイズがあればうれしい」「こんな柄がほしい」とリクエストが寄せられるという。現在展開しているポーチのサイズや生地のバリエーションも、購入客からの声を反映して増やした結果だ。また、実際の利用シーンについても「お子さんのおもちゃを入れるとか、こちらが『なるほど』と思わせてもらえることが多いんです」と語る。
今後もポーチづくりをメインに据えつつも、「自分のオリジナリティを表現できるものづくりがしたい」と先を見据える林さん。リアルな生の声に耳を傾けながら、理想の姿を模索していく考えだ。