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暮らしを彩る素朴な雰囲気の陶土タイル -atelier YAACHO-

粘土遊びが大好きだった造形作家の髙木沙季さんが、東京から長野に移住して始めたのが陶土を使ったタイル作り。壁に張ってインテリアのアクセントにするのはもちろん、さまざまな使い方が楽しめそう。



子どもの頃、「今日は何をして遊んでいたの?」と親に聞かれると、「粘土!」と毎日答えていたほど粘土遊びが好きだったという造形作家の髙木沙季さん。勤めていた東京のジュエリー関連の会社を辞め、パートナーとともに長野県に移住した。「移住した家をリノベーションしようと思い、持っていた小さな電気釜でタイルを焼くことにしました。土をこねていると、子どもの頃の粘土遊びの思い出がよみがえったのか、タイル作りに夢中になっていって。イベントに出店して販売するようになりました」。

-Profile- atelier YAACHO 髙木沙季さん
専門学校では彫金を学び、ジュエリーの会社に勤めていたが、デザインから製作、販売まで一貫して自分で行いたいという気持ちが高まり、「atelier YAACHO」を立ち上げ、陶土タイルを販売。

工業的に製造されているタイルは、磁器の原料である石粉が多く使われている。強度が高いので薄く焼くことができ、地の色が白いため釉薬の色も鮮明に出る。一方、髙木さんがタイル製作に使っているのは、陶器を作るための陶土だ。陶土は粘土成分が多く、柔らかいので磁器のタイルよりも割れやすい。ただ、逆にその柔らかで素朴な質感を好む人も多い。髙木さんもその一人だ。

さまざまな大きさ、形、色、柄のタイルが販売されている。陶土の特徴を表現するために、髙木さんは表面に凹凸感を出すデザインを施している。

柄だけでも200種類以上もある「atelier YAACHO」のタイル。「100角」と呼ばれる目地を含めた辺の長さが100ミリ四方のタイルは、DIYが好きな人にも人気だそうだ。「古民家をリノベーションするので100枚ほしい」とInstagramから注文を受けたり、オリジナルのデザインでタイルを焼いてほしいと依頼されたり。もちろん、DIYとまでいかなくても3〜4枚を買って、キッチンやバスルームのタイルの上から張って、部屋の雰囲気を変える人も多いそう。髙木さん自身は、お気に入りのジュエリーを置くトレーとして100角タイルを使っているそうだ。

小さな四角いタイルに、アロマオイルを垂らす。貫入にオイルが染み込み、ほんのりとやさしい香りが空間にただよう。

小さなタイルも、さまざまな使い方ができる。髙木さんのおすすめは、アロマストーンにすること。「タイルにアロマオイルを垂らすと、釉薬の貫入(小さなひび)からゆっくりと染み込み、お手洗いや玄関など閉じられたスペースに置くとやさしく香ります」と使い方を教えてくれる。ほかにも、家族と色違いの箸置きにしたり、裏側にパーツを取り付けてブローチや帯留めにしたりすることもできる。「ご自身のアイデアで、オリジナルな使い方を楽しんでほしいです」と髙木さんは笑顔で話す。約4650年前に建てられたピラミッドから世界最古のタイルが見つかったように、タイルはサステナブルな建築材料だ。素材となる陶土も持続可能な性質を持つ。「使わない土は置いておくと乾燥して硬くなってしまいますが、水を混ぜてこねるとまた新鮮な土に戻り、同じ品質のタイルを焼くことができます。無駄にすることなく使い切ることができる素材であることも、陶土が好きな理由です」と髙木さんが言うようにSDGsの観点からも価値のある陶土タイルを買って、インテリアのアクセントにしてみては?

キーホルダーなどを掛けるフックにもタイルが。ちょっとした工夫で部屋の雰囲気が明るくなる。