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真鍮と羊毛が織りなす、夫婦で紡ぐ日常の彩り -hutte(ヒュッテ)-

華奢な輝きを放つ真鍮や優しい質感の羊毛フェルトを使ったアクセサリーなどを手がけるhutte(ヒュッテ)。京都を拠点に活動する岩本朋樹さん・まゆ美さん夫妻が営むブランドだ。ものづくりの背景には、夫婦ならではの創作への情熱が垣間見える。



真鍮製の作品の数々は、朋樹さんが製作を、まゆ美さんがデザインをそれぞれ手がけている。「真鍮は磨くとピカピカになり、長く使うとアンティーク調に経年変化するのがおもしろい」と語る朋樹さん。銅と亜鉛を混ぜ合わせた真鍮は管楽器などにも用いられ、使い込むほどに味わい深い風合いへと変化する点が特徴だ。その変化は使用環境や頻度によって、異なる表情を見せるという。

-Profile- hutte 岩本朋樹さん(左)/まゆ美さん(右)
実は奈良県のお寺で僧侶も務めている朋樹さん。「どちらも本業です」と笑顔を見せる。

ブローチやピアス、イヤーカフなどのアイテムは、30代から50代の女性を中心に支持を集める。貴金属よりも気軽に使いやすい真鍮ならではの魅力を生かし、「オフィシャルな場というよりも、普段使いに」と願いを込める。真鍮は、シルバーやゴールドと比べて安価で加工がしやすい点も魅力だ。切断や成形、複数のパーツの接合も、真鍮なら比較的手軽に可能で、自由度の高さが作品のバリエーションを豊かにしている。

アクセサリーは、ボタニカルモチーフの作品が一番人気だそう。

hutteでは、真鍮作品のほかにも、ふんわりとした質感の羊毛フェルトの作品も製作している。一見すると相反するこの取り合わせもおもしろいポイントだ。羊毛フェルトの製作は、主にまゆ美さんが手がけている。「子どもの頃からものづくりが好きで、欲しいものがあれば自分で作っていた」と振り返るまゆ美さん。家にある素材で椅子を作るなど、創作意欲は幼少期から旺盛だった。やがて成長し、アクセサリー作家の知人との出会いを経て、自身も本格的な製作に取り組むようになったという。

羊毛フェルトで仕立てた作品もラインナップは多彩。素朴で優しい質感が魅力だ。

「細い真鍮を使うときは、折れない強度を保ちながら、デザインの繊細さを表現することに苦心する」と技術的な課題を明かす朋樹さんは、独学で試行錯誤を重ねながら腕前を磨いてきた。デザインと製作を夫婦で分担しているがゆえに、「イメージと違う」といったやりとりをたびたび交わしているという。ただ、技術の向上に余念がない朋樹さんは、「もっといろんな加工ができるようになり、表現の幅を広げたい」と語る。まゆ美さんが思い描くデザインを完璧に再現できないもどかしさも、さらなる技術向上への原動力だ。二人三脚で理想の作品を追求する姿勢も、hutteの魅力へとつながっている。

貴金属や宝石にはない「自分で育てる」楽しみは、真鍮ならでは。