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窯で焼いたアップルパイで、信楽の魅力を発信
– 信楽窯焼きアップルパイ –

「信楽窯焼きアップルパイ」は、イベント時にだけ店を構えるアップルパイ専門店。アップルパイを焼き始めると、香ばしく甘い香りがあたりに広がり、香りに惹かれて大勢の人が買いに来る。



焼きたてのアップルパイは、外はサクサク、中にはとろっとしたアップルフィリングが入っている。ほんのり甘い生地とりんごの酸味が調和した見事な味わいだ。

しかし実は、店主の神崎さんの本職は、パイの職人ではなく陶芸家。滋賀県の信楽で陶器を焼いている。「小さい頃から家業の陶器屋では、窯の余熱で芋を焼いて従業員と食べていました。それを思い出して、何か焼いてみようと思ったのがきっかけです」と神崎さん。窯の知識を生かして、その場で焼き上げるアップルパイを思いついた。

-Profile- 信楽窯焼きアップルパイ  神崎倍充さん
信楽に興味をもって欲しい、という想いから8年前に信楽窯焼きアップルパイをスタート。関西を中心に、各地のイベントに出店している。

アップルパイを焼く窯は、レンガの窯だ。イベントごとにおよそ1トンものレンガを搬入し、手で組み上げているという。会場に入ればすぐに設営を始めるが、バーナーで窯に熱を貯めなければならないため、焼ける温度になるまでに3時間ほどかかる。

設営後も、焼き上がりをただ待てば良いわけではない。火を入れず蓄熱で焼き上げるので、放っておくと温度はどんどん下がる。下がりすぎないように、バーナーで炙って温度を管理する。こまめに焼け具合をチェックしながら、20分ほどかけてようやく焼き上がるのだ。

レンガは、積み上げて組んでいるだけなので、隙間が空く。
その隙間から余分な水分が飛ぶので、外がサクサクに焼きあがるという。

神崎さんが毎回大変な設営をしてまでアップルパイを焼くのは、地元である信楽への想いがあるから。「多くの人に信楽という名前を知ってほしくて、町の特産物で何かできないかと考えていました。信楽焼きと言えばたぬきの置物を思い浮かべる人が多いですが、それ以外にも食器やお風呂の湯船など、いろんな焼き物があるんです」。

信楽は、陶器だけではなくお茶の産地としても有名。同店はパイと共に、特産の「朝宮茶」を用いた淹れたての紅茶を提供している。「信楽の良いところを知ってもらって、興味を持ってもらえたらうれしいですね」。自分たちの街を盛り上げたい、という気持ちで始まった信楽焼きアップルパイ。オリジナリティが光る窯焼きでできる焼きたての美味しさは、信楽の新しい銘品に相応しい。

窯には2種類のレンガを使っている。内側に蓄熱するためのレンガ、その外側を断熱するためのレンガで覆い、中の熱を逃さない構造になっている。
ふっくらと焼きあがったパイの皮はサクサク。中にはとろとろのアップルフィリングと果肉がたっぷり。
焼き上がりには何倍にも膨らんで、サクッとした食感に仕上がる。