LOHASの魅力を体感できるWEBサイト 「&LOHAS」

多くの人に喜んでもらうために、日本に食べるお茶を広めたい
– 松茶商店 –

松茶商店では、客家擂茶(はっかれいちゃ)というお茶を日本で唯一販売している。客家擂茶とは、20種以上の大豆や雑穀などを焙煎し、すりつぶして粉末にしたものをお湯で溶いて飲む中国発祥のお茶。客家(はっか)という民族の間で約1800年前から飲まれ続けてきたもので、中国では「毎日3杯の擂茶(れいちゃ)はあなたを98歳まで生かす」と言われるほど栄養価に優れている。



代表の松本さんは「お茶が体を作る材料になって、崩れていた体の調子がゆるやかに戻っていくようなイメージ。毎日食べるものから健康になろう、という医食同源の考えです」と話す。

販売を始めたきっかけは、「人の役に立つ仕事がしたい」という想いひとつだった。何をするかも定まらないままに19年間勤めていた会社を退社し、起業を目指した。家族には3ヶ月の猶予をもらったが、その期限も迫りつつあった頃、旅行で訪れた台湾で偶然、客家擂茶と出会う。

-Profile- 松茶商店 代表 松本 学さん
19年間勤めた会社を退職し、2014年に起業。お客さんの声を大切に、イベント出店やインターネット販売を行い、客家擂茶を全国に広めている。

「飲んでみると美味しくて、健康にもいい。これを日本に広めたら、日本の人は喜んでくれるんじゃないか、これがやりがいのある仕事なんじゃないか、と思いました」と松本さん。

中国語が分からないため、販売にこぎつけるまでは奔走したという。最初は、擂茶メーカーに門前払いを食らった。検疫所とのやりとりにも時間がかかった。しかし、苦労の末にようやく商品を輸入することができ、今では本場台湾で最大の擂茶生産量を誇るSIID CHAと正規販売店の契約を結んでいる。

ギフト用の客家擂茶(1,450円/300g)。台湾では砂糖入りの甘いタイプがスタンダード。しかし日本では砂糖を調整したいという人が多いため、メーカーに掛け合って砂糖のないタイプを商品化した。

販売を始めると、リピーターがどんどん増えていった。鍼灸院や薬膳料理店、薬局からも声がかかる。ある医師からは「説明が理にかなっている。頑張りなさい」と太鼓判を押された。お客さんからは、「靴下を履かずに眠れるようになった」「お通じがすっきりした」など、喜びの声が聞こえ、「このお茶に出会えて良かった」「日本に客家擂茶を持って帰ってくれてありがとう」という感謝の声が届いている。「お客さんの声が一番。お客様のご要望に答えることをどんどんやっていきたい」と松本さん。

客家擂茶の原料は、大豆や粟、カラス麦、緑豆など20種の豆や雑穀。食物繊維が豊富で、ビタミンBやビタミンE、カルシウム、マグネシウムなど不足しがちな栄養素がたっぷりと含まれている。

WEBでの販売も行っているが、「商品代金以外のお金をお客様に負担させたくない」と、発送方法を工夫して送料を無料にしている。「お客さんも悪いと思ってくれるのか、まとめて買ってくれる方が多いです。お客さんに支えられてなんとかここまできました」と松本さん。月に100件ほどの注文があるが、長文でメールが来ることも多く、その一つひとつに丁寧に返信し、まるで会話をするようにやりとりをしているという。

「お客さんに必要としてもらえることがすごくうれしいですね。意見をもらうと『生きているなあ』と感じます」と松本さん。一人ひとりの意見を聞きながら、丁寧に真摯に、全国へ売り歩いている。

お湯で溶いて飲むと、香ばしいきな粉のような香りが広がる。甘酒で割ったり、アイスクリームやわらび餅にふりかけても美味しい。
グラノーラのお店とコラボレーションして開発した「客家擂茶バー」。朝食や小腹が空いた時に手軽に食べられる。