松茶商店では、客家擂茶(はっかれいちゃ)というお茶を日本で唯一販売している。客家擂茶とは、20種以上の大豆や雑穀などを焙煎し、すりつぶして粉末にしたものをお湯で溶いて飲む中国発祥のお茶。客家(はっか)という民族の間で約1800年前から飲まれ続けてきたもので、中国では「毎日3杯の擂茶(れいちゃ)はあなたを98歳まで生かす」と言われるほど栄養価に優れている。
松茶商店では、客家擂茶(はっかれいちゃ)というお茶を日本で唯一販売している。客家擂茶とは、20種以上の大豆や雑穀などを焙煎し、すりつぶして粉末にしたものをお湯で溶いて飲む中国発祥のお茶。客家(はっか)という民族の間で約1800年前から飲まれ続けてきたもので、中国では「毎日3杯の擂茶(れいちゃ)はあなたを98歳まで生かす」と言われるほど栄養価に優れている。
代表の松本さんは「お茶が体を作る材料になって、崩れていた体の調子がゆるやかに戻っていくようなイメージ。毎日食べるものから健康になろう、という医食同源の考えです」と話す。
販売を始めたきっかけは、「人の役に立つ仕事がしたい」という想いひとつだった。何をするかも定まらないままに19年間勤めていた会社を退社し、起業を目指した。家族には3ヶ月の猶予をもらったが、その期限も迫りつつあった頃、旅行で訪れた台湾で偶然、客家擂茶と出会う。
「飲んでみると美味しくて、健康にもいい。これを日本に広めたら、日本の人は喜んでくれるんじゃないか、これがやりがいのある仕事なんじゃないか、と思いました」と松本さん。
中国語が分からないため、販売にこぎつけるまでは奔走したという。最初は、擂茶メーカーに門前払いを食らった。検疫所とのやりとりにも時間がかかった。しかし、苦労の末にようやく商品を輸入することができ、今では本場台湾で最大の擂茶生産量を誇るSIID CHAと正規販売店の契約を結んでいる。
販売を始めると、リピーターがどんどん増えていった。鍼灸院や薬膳料理店、薬局からも声がかかる。ある医師からは「説明が理にかなっている。頑張りなさい」と太鼓判を押された。お客さんからは、「靴下を履かずに眠れるようになった」「お通じがすっきりした」など、喜びの声が聞こえ、「このお茶に出会えて良かった」「日本に客家擂茶を持って帰ってくれてありがとう」という感謝の声が届いている。「お客さんの声が一番。お客様のご要望に答えることをどんどんやっていきたい」と松本さん。
WEBでの販売も行っているが、「商品代金以外のお金をお客様に負担させたくない」と、発送方法を工夫して送料を無料にしている。「お客さんも悪いと思ってくれるのか、まとめて買ってくれる方が多いです。お客さんに支えられてなんとかここまできました」と松本さん。月に100件ほどの注文があるが、長文でメールが来ることも多く、その一つひとつに丁寧に返信し、まるで会話をするようにやりとりをしているという。
「お客さんに必要としてもらえることがすごくうれしいですね。意見をもらうと『生きているなあ』と感じます」と松本さん。一人ひとりの意見を聞きながら、丁寧に真摯に、全国へ売り歩いている。