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自然と人間は仲間。両者が共生できる里山の暮らしを守りたい
 - 里山倶楽部 –


里山倶楽部 大塚憲昭 特定非営利法人里山倶楽部理事・バイオマスエネルギー事業部長。2004〜2010年に、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)と「公園内木質バイオマス有効活用システム実証試験」の共同研究を実施。2011年に、株式会社里山経済研究所を設立し、地方自治体の木質バイオマスエネルギー利用調査業務等を受託。そのほか、木質エネルギーをテーマに講義や講演を数多く行っている。

特定非営利法人里山倶楽部理事・バイオマスエネルギー事業部長。2004〜2010年に、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)と「公園内木質バイオマス有効活用システム実証試験」の共同研究を実施。2011年に、株式会社里山経済研究所を設立し、地方自治体の木質バイオマスエネルギー利用調査業務等を受託。そのほか、木質エネルギーをテーマに講義や講演を数多く行っている。

里山倶楽部は、約30年前から南河内郡河南町で里山の保全活動を行っている。倶楽部のメンバーが森林に入って木を切り、薪や炭を作って地元の道の駅やホームページなどで販売する。それは、地元で生産された材料を使って暮らしを立てるという、地産地消の生活を推進する活動でもある。

木工教室の様子。発想が自由な子どもたちは、思いもかけないユニークな作品を創り出す。

大塚さんによると、地産地消として山の木を販売する動きは全国的に広まりつつある。しかし今の時代、薪を燃料として使う家庭は少ない。それなら、今の時代にふさわしいエネルギーの使い方を研究しよう、と始まったのが万博記念公園の「森の足湯」だ。

これは、2005年からの5年間、万博記念公園の間伐材や剪定枝を燃やして温水と電気を作る実証実験で設営されたもの。実験が終了した後も、かけ流しの「森の足湯」は年間2万5千人もの人に利用されている。

里山倶楽部のメンバーは30〜70代と幅広い。自らも林業や農業に携わりながら、里山での暮らしを広める活動を行っている。

イベントでは、山の手入れで出てくる間伐材や剪定枝を使った木工教室も開催。子どもも大人も楽しみながら木に触れる機会を作っている。「自然と少しでも触れ合ってもらえれば十分。その人の気持ちの中で、木や山に対する愛着が生まれれば、また違う目で自然を見るようになるかもしれませんから」と大塚さん。

もう一つ、里山倶楽部が行っているのが「里山暮らし」の提案だ。里山の中での生き方、暮らし方に興味がある人を対象に講座を開き、食料や燃料を全て自分たちでまかなう自給自足の生活について情報を提供している。里山倶楽部が目指すのは、自然と人間が共存することが当たり前の世界。「自然と人間は共に暮らす仲間です。お互いに助け合ったり迷惑をかけあったりしながらも一体となって暮らす、そんな里山の文化を守りたいですね」。

【森の足湯】
2005年〜2011年まで実施。独立行政法人日本万国博覧会記念機構と協働した、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同研究事業。木質バイオマスの有効活用を目的に、薪焚きボイラーとスターリングエンジンを組み合わせた湯と電気を作る新エネルギーシステムの実証試験を行なった。

万博記念公園の剪定枝や間伐材は、年間で100トンも出るという。その一部を使い、木と身近に触れ合ってほしいとワークショップを実施。木の使い方が分からない人、使えることを知らない人にも、使い道や木の良さを知ってもらうきっかけになっている。
「ライフラインが止まると生きていけない状態ではなく、自然の資源を地元で使い、自分たちで生活が成立するような社会を生きましょう、と訴えたい」と大塚さん。